コンパクトカメラの活用

■逆光耐性とHDR機能

 敢えて逆光で撮影した場合の写真を比較した。

【S95】
 S95は、露光の異なる3枚の写真を重ね合わせるHDR(ハイダイナミックレンジ)機能と搭載する(三脚必須)。
 明るすぎたり暗すぎたりする部分を検出して自動補する幅広い諧調表現をするi-コントラスト機能がさらにある。
 
 
  
SCNモード Pモード(i-コントラスト)
HDR(ハイダイナミックレンジ) Dレンジ補正200% Dレンジ補正400% Dレンジ補正 切

F3.2・1/400秒・ISO-80

F4.0・1/250秒・ISO-160

F4.0・1/500秒・ISO-320

F4.0・1/200秒・ISO-80
手持ちで撮影した為
失敗

F4.0・1/500秒・ISO-160

F4.0・1/1000秒・ISO-320

F4.0・1/250秒・ISO-80
三脚使用(必須)
手ブレ補正「切」(推奨)
最低ISO感度160
最高ISO感度1600
最低ISO感度320
最高ISO感度1600

 HDRは、逆光撮影によるフレアを効果的に抑え、通常撮影よりも高い階調の写真を得る事ができた。
 2枚目の明暗差のある写真の撮影で三脚を使用していたら、非常に高い階調を得ることが出来たと思う。
 しかし3枚の写真の撮影感覚が長い為、手持ち撮影で使用する事はできないので実用性は低いだろう。
 また逆光撮影ではi-コントラストの効果は得られなかった。  2枚目の写真では暗部補正を「入」に設定するのを忘れたのでi-コントラストの効果に差が現れなかった。

 逆光撮影の場合S95は斜め上にゴーストが発生した。
 このゴーストはHDRやi-コントラストで補正することは出来ないので逆光撮影の場合には注意が必要である。
 ポートレート撮影では顔にゴーストが被ってしまう可能性がある。


 【WX5】
 WX5にも露出の異なる2枚の写真を撮影して1枚の階調豊かな画像を撮影する「逆光補正HDR機能」がある。
 こちらはS95と異なり、手持ち撮影でも使用する事が可能である。

 
逆光補正HDR Pモード

WX5・F7.1・1/125秒・ISO-125

WX5・F7.1・1/100秒・ISO-125

WX5・F7.1・1/125秒・ISO-125

WX5・F7.1・1/160秒・ISO-125

 WX5の逆光補正HDRは、1枚目の逆光撮影でも2枚目の明暗差がある撮影でも高い効果が得られた。
 手持ち撮影でも自然に見える画像が合成される為、撮影の難しい状況下で積極的に使用する事が出来るだろう。
 
 逆光撮影でWX5は斜め下にゴーストが発生した。
 あまり目立たない位置でありHDRによりやや補正されているので、WX5はフレアやコントラストの低下に注意が必要である。
 
  
  
  

■デジタルズーム

  S95は4倍のデジタルズーム、WX5は2倍のプレシジョンデジタルズームが可能である。
  光学ズームのテレ側で撮影した写真をデジタルズームと同じ大きさにトリミングした画像も表示した。
【S95】  
光学ズーム3.8倍 デジタルズーム4倍
(合計15倍)
トリミング

F4.9・1/250秒・IOS-80

F4.9・1/250秒・IOS-80

 

【WX5】  
光学ズーム5倍 デジタルズーム2倍
(合計10倍)
トリミング

F5.9・1/500秒・IOS-125

F5.9・1/500秒・IOS-125

 

 両者とも超解像度ズームなどの機能は特に有してはいない。
 撮影後にトリミングを行った場合と画質の差はあまり見られなかった。

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