コンパクトカメラの活用
■最短撮影距離と撮影倍率
一眼レフにないコンパクトカメラの魅力として、接写能力が高いことがあげられる。
しかし一眼レフの多くのレンズはズーム全域で最短撮影距離が変わらないが、
コンパクトカメラはテレ側(望遠側)で最短撮影距離が極端に長くなる事がある。
その為、テレマクロ撮影により被写体を拡大することが出来ない。
そこで各ズーム域ごとに最短撮影距離で撮影した写真を比較した。
※またメーカー仕様表に表記されていてる最短撮影距離は、
一眼レフレンズの場合は、撮像センサーから被写体までの距離だが、
コンパクトカメラの場合は、レンズ端から被写体までの距離である事が多い。
S95
焦点距離(35mmフィルム換算) |
28mm |
35mm |
50mm |
85mm |
105mm |
最短撮影距離 |
5.0(9.5)cm |
5.5(10.0)cm |
9.0(13.5)cm |
26.5(31.5)cm |
26.5(32.0)cm |
※( )内は、撮像センサーから被写体までの距離
WX5
焦点距離(35mmフィルム換算) |
24.0mm |
28.8mm |
33.6mm |
52.8mm |
86.4mm |
120.0mm |
最短撮影距離 |
5.5(10.0)cm |
11.5(15.5)cm |
12.0(16.0)cm |
24.0(27.0)cm |
52.5(56.0)cm |
73.0(77.0)cm |
※( )内は、撮像センサーから被写体までの距離
各焦点距離毎に最短撮影距離で撮影した場合の被写体の大きさの比較
焦点距離 (35mm換算) |
S95
| WX5
|
約24mm |
|
 F2.4・1/10秒・ISO-125 |
約28mm |
 F2・1/15秒・ISO-100 |
 F2.5・1/10秒・ISO-125 |
約35mm |
 F2.5・1/10秒・ISO-100 |
 F3.2・1/8秒・ISO-125 |
約50mm |
 F3.2・1/8秒・ISO-100 |
 F3.5・1/6秒・ISO-125 |
約85mm |
 F4.5・1/4秒・ISO-100 |
 F5・1/3秒・ISO-125 |
105mm(S95) 120mm(WX5) |
 F4.9・1/3秒・ISO-100 |
 F5.9・1/2秒・ISO-125 |
※それぞれの写真の絞りは開放F値である。
S95は焦点距離35mm、WX5は焦点距離24mmの最短撮影距離で接写した時に被写体の大きさが最大になった。
WX5は焦点距離が大きくなるにつれて最短撮影距離が長くなる為、接写ができるのはワイド側のみだろう。
ちなみにカタログスペックではWX5のテレ端の最短撮影距離は90cmだが、さらに20cm程近くで撮影が出来た。
S95も焦点距離が大きくなるにつれて最短撮影距離が長くなるが、テレ端でも26.5cmまで寄る事が可能である。
その為、被写体の大きさはWX5より明らかに大きくなり、背景も大きなボケが得られた。
S95はマクロ撮影に強いコンパクトカメラであると言えるだろう。
S95 テレコン使用例(焦点距離35mm相当)
テレコンなし |
テレコン1.4× |
テレコン2.3× |
 F2.5・1/20秒・ISO100 |
 F2.5・1/20秒・ISO100 |
 F2.5・1/20秒・ISO100 |
またS95には、デジタルテレコン機能(1.4倍、2.3倍)が搭載されている。
テレ端までズームせずにデジタルズームできる機能だが、
最大撮影倍率となる焦点距離35mmで撮影すると、まるでマクロレンズを使ったような感覚が味わえる。
デジタルズームなのでズームしてもF値が小さくならない事が魅力である。
参考としてEOS60Dに各レンズを装着した場合のテレマクロ撮影を行って掲載した。
絞りは望遠側での開放F値である。
またSH-01Cでも最短撮影距離による撮影を行った。
EOS 60D

EF-S 15-85mm F3.5-5.6 IS 焦点距離:85mm(136mm) 撮影距離:35cm |
TAMRON 17-50mm F2.8(Model A16) 焦点距離:50mm(80mm) 撮影距離:27cm |
SIGMA 17-70mm F2.8-4.0 DC MACRO OS HSM 焦点距離:70mm(112mm) 撮影距離:22cm |
SIGMA 18-250mm F3.5-6.3 DC MACRO OS HSM 焦点距離:250mm(400mm) 撮影距離:35cm |
※( )内は35mm換算の焦点距離
SH-01C

焦点距離(35mm換算)28mm F2.8
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