コンパクトカメラの活用■高感度の比較S95、WX5はともに高感度性能を謳う(対 同世代機)カメラである。そこでISO感度ごとの画像を比較した。 S95は1/1.7型CCD(1000万画素)であり、WX5は1/2.3型CMOS(1220万画素)であり、 センサーの種類もサイズや有効画素数も大きく異なる。 S95の単位画素当りの撮像素子面積は、WX5の約2倍となる。
ISO400から徐々にノイズが目立ちはじめた。 ISO1600で色調がやや変化してノイズが発生が顕著になってたが、被写体のディテールは辛うじて保たれた。 しかしISO3200になると縮小画像でもノイズが目立ち、画像が破綻してしまった。 WX5の高感度性能は、面積/画素数が約2倍のS95の高感度性能に迫ると考えられる。 裏面照射CMOS"ExmorR"と画像処理エンジン"BIONZ"の性能の高さが感じられる結果となった。 綺麗な画像を残したい場合はISO400にとどめておきたいが、ISO800までなら許容できそうだ。 画質よりも被写体ブレ・手ブレ防止を優先する場合なら、非常用としてISO1600を使っても問題ない。 ただ余程の理由がない限りISO3200は使わないほうが後悔が少ないと思う。 S95は上限ISO感度を設定できるので、上限800に設定しておくと勝手がいいと思う。 また感度の上がり方を“遅め”に設定すれば過剰に感度が上がる事を防げるだろう。
EOS60Dでは被写体ブレ・手ブレ防止する為にISO3200まで使用してシャッター速度をかせぐ場合があるので、 コンパクトカメラの高感度性能にはやや物足りなさを感じる。 APS-Cに比べて面積/万画素が1/8〜1/4と小さいので当然の結果である。 一眼レフの広角側開放絞り値は一般的にF3.5だが、S95はF2.0、WX5はF2.4と明るいレンズを搭載している。 その為、ISO感度を1〜2段下げても同等のシャッター速度が得られるかもしれない。 【WX5のノイズ低減機能】またWX5には高速連写により撮影した6枚の画像を重ね合わせてノイズを低減処理をする機能がある。"プレミアムおまかせオート(手持ち夜景)"および"人物ブレ低減モード"で撮影した写真と 同じISO感度でPモードで撮影した写真を比較した。
連写合成機能により不自然にならず、高感度撮影時のノイズを大幅に改善する事ができた。 さらにノイズが減るだけではなく、Pモードでは潰れてしまった造花の布の織り目まで表現された。 また連写合成機能は、低感度で撮影した写真のノイズ低減にも効果があった。 積極的に積極したい機能だが、処理に時間がかかる事とバッテリーの消費量が多い事が難点である。 |