コンパクトカメラの活用

■好条件下での撮影比較

 カメラの性能でまず気になるのはその描写性能だろう。
 そこで好条件下(晴天の野外)、低感度で撮影した場合の写真の比較を行った。
 それぞれの写真は、おおよその画角を合わせ、Pモード、WB太陽光で撮影した。
 (WX5はISO100が設定する事ができないため、ISO125で撮影)

 また参考として携帯電話のSH-01Cで撮影した写真も比較した。

S95 WX5 SH-01C
101s95.jpg 101wx5p.jpg 101sh01c.jpg
F2.8・1/1600秒・ISO100 F8・1/250秒・ISO125 F2.8・1/501秒・ISO100
100s95.jpg 100wx5p.jpg 100sh01c.jpg
F4・1/1000秒・ISO100 F7.1・1/320秒・ISO125 F2.8・1/145秒・ISO100
200s95.jpg 200wx5p.jpg 200sh01c.jpg
F4.5・1/1000秒・ISO200 F7.1・1/400秒・ISO200 F2.8・1/172秒・ISO200
  ※サムネイルをクリックすると拡大写真(約600万画素)を表示できる。
    (A4程度の印刷やフルHD程度の解像度のモニタで鑑賞すると仮定して縮小した)



 S95とWX5のどちらも好条件下での画質は素晴らしく、優劣をすぐに判断する事ができなかった。

 よく見るとS95のほうがWX5よりも僅かに階調が豊かで質感が高いクリアでヌケの良い仕上がりになっている。
 S95はAv(絞り優先)モードにて最適なF値で撮影するとさらに画質が向上する可能性が期待できる。
 ただS95は画像処理エンジンによりシャープネスが強めにかかっているという印象を受けた。

 WX5はCMOS機種なので、CCD機種のS95よりザラザラとした印象を受けるが、ノイズが上手く処理されている。
 しかしWX5は中央部分の描写はシャープだが、周辺部分は画像が流れて歪曲収差が目立つ事が残念である。
 広角24mmからの5倍ズームレンズの影響かもしれない。
 WX5は絞り羽根を持たないカメラなので、F値を上げても周辺の描画の乱れは改善されない。
 
 またS95とWX5の写真を見比べて、まず初めに気になるのは色合いの違いだろう。
 これはレンズ性能による影響ではなく、仕上がり設定の違いであると考えられる。
 各メーカーの理想の写真に対する考え方の違いが現れた形になる。

 SH-01Cは携帯電話でレンズやセンサーが小さいため、S95やWX5に比べてフォーカスが甘く解像感に劣った。
 それでもコンパクトカメラに迫る描写を見せたと思う。
 ただISO200ですでにノイズが目立ち始めているので注意が必要である。



 以下はEOS60DとEF-S15-85mmF3.5-5.6ISにて撮影した写真である。
 一眼レフはレンズの違いで描画性能が大きく異なるので、単純に描画性能を比較する事はできないが、
 よく見るとS95やWX5の写真に比べて60Dの写真のほうが色調が豊かでノイズが少ない事が分かる。
 しかし一眼レフとコンパクトカメラの写真を判別する事は難しかった。
 好条件下での撮影であれば、S95やWX5の描画能力は、60Dに迫る勢いである言えるかもしれない。

EOS60D+EF-S15-85mmF3.5-5.6IS
10160d.jpg 10060d.jpg 20060d.jpg
F8・1/250秒・ISO100 F4・1/2000秒・ISO100 F9・1/200秒・ISO200
  (18万画素3:2で撮影した写真を4:3にトリミングして、約600万画素に縮小した)

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