PowerShotG15の実力検証EOS60Dは、高い操作性と描写性を誇るカメラだが、一眼レフカメラなので大きくて嵩張ることが難点である。その為、兼ねてより気軽に持ち歩く事が出来る操作性と描写性に優れたサブカメラを探し求めていた。 PowerShotS95を使用していたが、画質に満足することが出来ずPowerShotG15を購入した。 PowerShotG15は、有効1210万画素の1/1.7型CMOS素子とF1.8-2.8の明るいレンズを搭載したカメラである。 G15は、操作性と機能性を優先して設計されおり、EOSシリーズの一眼レフカメラを縮小したようなデザインとしている。 また明るい光学5倍ズームレンズを搭載している為、様々な状況に対応できる可能性が期待できる。 PowerShotG15がEOS60Dの代用として使用することが可能か、簡単な性能検証を行った。 [補足] ミラーレス一眼(ノンフレックスカメラ)も最後まで候補だった。 しかしボディは小型でもレンズが嵩張り、レンズ沼に陥る危険がある為、サブカメラには不適当と思って却下した。 ミラーレスは一眼レフ並みのレスポンスがあり、位相差検出式AFの搭載によりAF性能に優れた機種も登場している。 もしサードパーティーのコストパフォーマンスの良いレンズが充実した暁には、メインカメラをミラーレスに移行する選択もあるかもしれない。 ■仕様比較■
■画質比較■ それぞれのカメラで画角を合わせて、Pモードで撮影(RAW)を行った。 有効画素が異なる為、約500万画素に縮小した写真の画質を比較した。 また以下の2種類のピクチャースタイルで出力した。 Standard:初期設定に近い写真 Neutral :無補正に近い写真
いずれのカメラで撮影した場合も初期設定(スタンダード)ではシャープな写真が得られた。 しかしG15とS95は、初期設定で60Dよりもきつめにシャープネスが施されていた。 そこでピクチャースタイルをナチュラルに変更するとカメラとレンズの性能差が明確に現れた。 60D+EF-S15-85には及ばないが、G15は補正無しでも十分シャープであり、色合いも自然で発色が良かった。 G15の初期設定のシャープネス設定は過度に思えるので少し弱めても十分かもしれない。 S95は補正無しではシャープネスが低く、色合いが不自然であった。 ■感度比較■ G15はISO感度80〜12800に対応しており、従来機種に比べて高感度性能の向上が期待できる。 実際に各感度(100,200,400,800,1600,3200,6400,3200)で写真を撮影して比較をした。
ISO3200〜6400ではノイズが顕著だが、被写体のディテールは維持されている。 被写体ブレや手ブレ防止を優先すれば、ISO6400で撮影できるだろう。 G15は購入時にオートISO上限値は1600に設定されているが、初期設定のまま使用できそうだ。 またオートISOの上限値は1600より大きく設定できないので、メーカー側もISO1600以上は推奨していないということかもしれない。 EOS60DもオートISO上限値は1600が妥当であると思うので、G15の高感度性能は60Dと同等かもしれない。 DIGIC4→DIGIC5への進化の賜物だろうか。 ■最大撮影倍率■ G15およびS95の各焦点距離の最短撮影距離で撮影を行った。
各焦点距離でG15はS95よりも拡大して撮影することが出来た。 特に28mmではG15は1cmまで接写できる為、被写体を非常に大きく撮影することが出来た。 しかし被写体にカメラが衝突しそうなくらい寄るので、自分の影が重ならないように注意しなければいけない。 またG15の撮像素子は一眼レフよりも小さいが、F2.8で接写をすれば大きなボケ効果を得られそうだ。>br> ■作例■
■まとめ■ 今回の検証で、PowerShotG15が非常に完成度の高いカメラであることを確認できた。 G15のレスポンスはS95より軽快で撮影間隔も短く、AFの合焦点も素早いので撮影をしていて殆どストレスは感じなかった。 レンズ端1cmの接写性能(広角側)は、なんちゃってマクロ撮影が楽しめるだけではなく、背景の大きなボケ効果を得られた。 またG15の本体にNDフィルターを内蔵している。S95では露光オーバーなってしまう状況だが、G15なら滝の流水を長時間露光で表現することが出来た。 一眼レフ用のレリーズを流用することも出来たが、バルブ撮影は出来なかったのは残念だった。G15で花火撮影をする場合はコツが要りそうだ。 望遠端の開放絞り値F2.8なので、一眼レフで言えば全域F2.8の5倍ズームレンズが搭載されているよなものである。 この明るいレンズ性能と常用ISO-1600の高感度性能を合わせれば、手持ち夜景撮影や動体撮影での活躍も期待できそうだ。 G15には露光の違う3枚の写真を合成して明暗の大きな場面を表現するHDR撮影機能も搭載されていた。三脚が必須の機能であり、手持ち撮影は推奨されていない。 手持ちでHDR撮影を試したみてが、晴天時の屋外撮影でも合成された3枚それぞれの写真がずれてしまった。(裏面照射型CMOSを搭載したG16は、CyberShotのように手持ちHDR撮影が可能らしい) 流石に画質や操作性はEOS60Dには及ばないが、レンズ性能と画像エンジンの性能が高く十分満足できる画質であった。 またG15は比較的コンパクトなボディに実に多くの機能が凝縮されているので、カメラ1つで様々な状況に対応できると思う。 G15は一眼レフのサブカメラとして、気軽に持ち歩ける快適なカメラであると思う。 電車移動のある旅行など一眼レフを持ち歩くことが難しい場合でも、G15なら他の荷物と一緒に鞄に入れてを出掛けられるだろう。 ただG15はEOS60Dより遥かに小さいが、一般的なコンデジに比べると大きい。 その為、G15にジャストフィットするカメラケースを探し当てるまで骨が折れそうだ。 |